ロコモティブシンドロームを聞いたことがありますか?
高齢社会の日本の問題点
日本は、今後ますます高齢社会が進むと言われています。
65歳以上の人口割合は、2020年に28.9%だったものが、2065年には38.4%になるという統計もあります。
そのため、これまでの制度では対応しきれていない問題が増えてきているのです。
特に医療福祉の問題は深刻です。
日本人の平均寿命は、2022年で男性が79.55歳、女性が86.30歳です。
それに対し、健康寿命は男性70.40歳、女性73.62歳となっており、平均寿命との差を考えると日常に何らかの制限をきたしてから男性は9.13年、女性は12.68年も過ごすことになるわけです。
*健康寿命…日常生活に制限のない期間
寝たきりの方が増えれば介護をする手も必要になりますが、今の日本では介護福祉に従事する方への待遇面が低く、なり手が少なくて家庭介護や老老介護も現実として多くあります。
寝たきりとまでいかなくとも、自身だけで日常生活を送るのが難しくなると介護福祉サービスを受ける必要性が出てくるでしょう。
そうなる期間を少しでも先延ばしにするためには、「運動器の機能を衰えさせない」ことが大切です。
それに加え、近年は生活習慣病対策も重要課題として挙げられており、メタボリックシンドロームや認知症などの対策に運動が勧められています。
しかし、運動をするにも運動器の状態が良好であってこそです。
ロコモティブシンドロームとは
ロコモティブシンドロームは、「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態」のことを表し、2007年に日本整形外科学会によって新しく提唱された概念で略称は「ロコモ」、和名は「運動器症候群」と言われます。
現在、ロコモの予備軍は4700万人と言われています。
運動器とは、身体を動かすために関わる組織や器管のことで、骨・筋肉・関節・靭帯・腱・神経などから構成されています。
現代の日本では、高齢化が進んでおり平均寿命は男性で79.9歳、女性で86.4に達しており、支援や介護が必要な方が増えています。
介護が必要になった、原因としては、骨折や転倒、関節疾患などです。
脳血管障害で運動器の障害が生じることも多く、介護が必要になる原因の2割が運動器障害と言われています。
男性は脳卒中が約4割を超えて多く、女性は、3割近くが運動器疾患によるものです。
脳卒中を予防するには、高血圧、高コレステロール血症に気をつけましょう。
平均寿命が延びている分だけ運動器の健康を長く保ち続ける必要があり、国民一人一人が運動器の健康維持に対して関心を向け、ロコモティブシンドロームを予防するための運動習慣が推奨されています。
一度寝たきりになってしまったら、改善するのは難しくなります。
そうなる前に、出来る対策を行っていきましょう。